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さとp

非公開

2009/01/28
12:32
「大阪ハムレット」

大阪が舞台の森下裕美のマンガが原作の映画。

大阪の下町に住む、久保家。
父が亡くなるところから始まる。

久保家は明るく元気な母房子と、ふけて見られる中学三年の政司、ヤンキーで中一の行雄、女の子になりたい三男宏基、そして父の葬儀のあと転がり込んできた叔父の五人家族だ。

いつも元気な房子は、昼は病院夜はスナックのアルバイトといそがしい。

政司は、ひょんなことから知り会った大学生と交際することになるが、彼女が勝手に政司を大学生と勘違いし、政司もそれを否定することなく大学生と偽ってデートを重ねる。

行雄は学校の先生に「ハムレットみたいだ」といわれ、その理由を探るためにひたすらシェークスピアのハムレットを読む。
辞書を片手にひたすら。

宏基は「将来女の子になりたい」とクラスで発表し、みんなにからかわれてしまう。

そして叔父さんは、何をしているのか、どうしてこの家に居候しているのかもサッパリわからない。
気がつくと、一緒にいた。
そんな感じ。


映画の前半はこういったそれぞれの状況説明で、笑える部分。
葬式のシーンでは、家族を前に、死んだ人間の悪口三昧。
ホントにどうしようもない人だった様。
で、その父親の写真が写ったとたん、笑った。
写真に写っていたのは、間寛平。
なぜか、笑える。

行雄が担任に「なぜハムレットなのか」「なぜ、死ぬの生きるのとなやむのか」等々の疑問をぶつける。
この担任がまた、同僚からもからかわれるような、まさにいじめられっ子キャラ。
行雄に詰め寄られておどおどする様子が、申し訳ないがちょっと笑える。

そして後半。
泣ける部分。

とはいえ、母というかおかあちゃんという感じなのだが、おかあちゃんは相変わらず明るく元気で、何でも受け止めてくれる。
「太った?」という次男の問いにも、
「太ったんちゃう、妊娠してんねん」と、ケロリと言って、
誰の子?と次男を悩ます。

政司は中学生だということがばれ、二人の恋は終わる。
行雄は自分の顔が父親に似ていないことに気づき、自分は誰の子だと悩む。
宏基は男女といじめられ、心が折れそうになる。

広基が好きだった叔母アキちゃんの死も、突然で涙を誘う。
アキちゃんは宏基にとって特別な存在。女の子になりたいという宏基を笑いもせず、責めもせず、受け入れてくれた一人。
「自分の好きなように生きるのがいい」と
宏基を励ましてくれる。
ガンで入院していたのだから、突然という訳ではないのだろうが、小さい宏基にはそれは突然だった。

ラストの宏基の学芸会のシーン。
舞台の上に立つ宏基をやじる上級生。その言葉に負けそうになる宏基をクラスメートが暖かい言葉をかける。

学校へ向かう道すがら、政司は道をはずれ東京へ帰る恋人を追う。

行雄はたびたび父親の幽霊(幻影)と対話しながら、悩みながら一つの答えを導き出す。

三人が三様の決着をつけて、一つ成長する。
そんな物語。


岸部一徳はどうして、あぁいう役どころがぴたりと合うのか。
そしてまた、画面に出てくると、なんとなく和む。
大林監督の「ふたり」で、岸部一徳を見てから、
すっかりファンになってしまっている。

子どもたちは関西出身の役者ばかりで、関西弁も馴染んでいてすごくよかった。
特に三男の宏基が可愛い。


恋、悩み、いじめ、いろいろ問題が盛りだくさんなのに、風呂敷を広げすぎることなくそれぞれがそれぞれに、時間内に決着を付ける。
すごくまとまった映画だったと思う。

一つ、難癖をつけるとしたら、宏基をいじめていた上級生が、負けずに最後まで堂々とシンデレラを演じきった宏基を「かっこよかった」と認めるシーンがあるのだが、あれはいらないと思った。

個人的にだが、あんな意地悪をする奴はあんなに素直に非を認めるとは思えない。
だから、そのしーんだけうそ臭くてちょっとなぁと、ひいてしまった。
それ以外はいい。
すごくいい映画だと思う。


笑って、泣いて、元気になれる映画だった。

シェークスピアの「ハムレット」が読みたくなった。


公式サイトはこちら↓
http://www.osaka-hamlet.jp/
 

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