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読んだり観たり書いたり食ったり、したこと書きます。
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さとp

非公開

2009/02/23
14:55
「少年メリケンサック」

宮崎あおい主演、宮藤官九郎脚本監督。


あらすじ

レコード会社の契約社員のかんな。
ネットで見つけたパンクバンドが社長の目にとまり、首を免れる。
元々パンクバンドをしていた社長はのりのりで、早速自社HPでそのバンドを紹介。
予想外に反応があり、CDやらライブやらどんどん話は進む。
そして契約を任されるかんな。

で、いざそのメンバーの一人に会いに行くと、ネットでの映像は25年前のものと判明。
現在のメンバーはみんな中年のオッサンたち。
その事を社長に言おうとするのだが、言いそびれてしまうかんな。
乗り気になるオッサン連中。
その一人に、最後までウソを突き通して、最後の最後で奇跡を起こせばそれが本当になる。
なんていわれて、言い返せない、というか変に納得。

だが、奇跡は起こらなかった。
なんせ25年ぶりの演奏なのだから、上手くいくはずがない。
社長は怒るし、それでもライブの場所はすでにおさえてあるから、
仕方がないのでろくに演奏も出来ないメンバーを引き連れて、ライブツアーに出る羽目に。

メンバーのろくでなしぶりに、泣く、わめく、怒る、逃げるかんな。
恋人に癒されつつ、なんとなくパンクというかメリケンサックの歌にひかれていくかんな。

映画の中盤をすぎた頃に、たまりかねたかんなが逃亡を図る。
バンドの面々を放っぽって、恋人のコンサートへ行く。(コンサートというより、音楽会、というかお披露目会みたいな漢字)
そこで、恋人の歌をつまらなく思い途中退場。

バンドの面々はといえば、かんながいないとライブ会場にもたどり着けない。
道に迷って同じ場所を行ったり来たり。

「俺はやりたいんだよ」
という、佐藤浩市の言葉に、みんなが立ち上がる。
そして、少年メリケンサックが復活する。
そして、かんなも帰ってくる。


宮藤さんが脚本なので、笑える。
大笑いはしないものの、クスクス笑いが絶えることがない。
本筋とはあまり関係ないところでも、笑いがある。
登場人物一人ひとりが可笑しい。
普通な人はいない。

特にツボだったのが、田辺誠一が演じている歌手。
その行動の一つ一つが面白くてたまらん。

シーンで言えば、かんなが恋人の浮気現場に遭遇するシーン。
あまりにも淡々としていて、それがものすごくおそろしい。


観てよかった。
笑えてちょこっと元気のでる映画だった。


 

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2009/02/17
13:40
「ヘブンズ・ドア」

長瀬智也・福田麻由子主演の映画。


あらすじ

今まで好き勝手に生きてきた勝人28歳は脳腫瘍のため余命三日だと告げられる。
その病院でであった少女14歳の晴海もまた余命1ヶ月だと告げられている。
意気投合した二人は、7歳で入院してから一度も病院から出ていないという晴海と海を見に病院を抜け出す。
たまたまキーがついたまま止めてあった車に乗り込み出発。
何も持たずに出かけた二人はすぐにお金に困る。
が、車の中からピストルが出てきたことから事態は一編。
行きがかり上、強盗をするハメに。
そして、無防備は二人は警察に追われる身となる。
そしてもう一つ、たまたま乗り込んだその車には、大会社の知られてはならない大金が積まれていたことから、その会社からも追われることになる。

何度か発作を起こしながらも、死ぬまでにしたい事を少しずつ成し遂げていく二人。
そしてラスト、会社社長にとうとう捕まり銃で撃たれそうになるのだがもはや死など恐れていない二人には、何の脅しにもならず、そうこうしているうちに仲間割れをしているうちに逃亡。
ほっとしたのもつかの間。今度は警察につかまる。
そのとき、勝人は倒れ、救急車へ。
車の中で目を開けた勝人は、刑事と運転手を放り出して逃亡。
勝人のしたいことリストの一つ、母に会いに行く。
が、結局遠くから見るだけで、会いにいけず。
ラストは、二人浜辺に座り、海を眺めるシーンで幕を降りる。


ただ余命僅かな二人がしたい事をする、というだけじゃなく、大会社の不正事件が絡んでくる。
といっても、この事件はそれほど重要でもないが。いいスパイスではあると思う。

脇を固める役者が上手い。
大会社の社長(長塚圭史)やその部下のちょっととぼけた社員(大倉孝二)。
刑事の三浦友和。
そういう人たちの力があって、主役の二人も引き立っている気がした。

長い映画じゃないけど、死について考えるところあり。

主人公たちが大人と子どもという取り合わせで、「レオン」を思い出したりした。
こういう取り合わせは、二人が恋愛へと流されずに話しを進められるからではないかと思う。

ラスト近くで、勝人が死にたくないと泣き崩れるところがある。
それを14歳の少女が
「大丈夫だよ」と
抱きしめる。

いいシーンだと思う。

晴海は入院してからずっと、死について考えてきたんだと思う。
それに対して勝人は、医者に告げられて初めて、死について思いをめぐらせたんじゃないだろうか。

それまで勝人主導のもと行動してきた二人が、ここで逆転する。

浜辺に座ったままの映像が延々と続くラストシーンを見ながら、この二人はどうなるんだろうと考えていた。
勝人は画面を見る限り、息絶えている。
晴海は病院にもどり、余命をその場で過ごすんだろうか。
それとも、命がある限り、外へ飛び出していくんだろうか。

後者であればいいと思う。


映画の中で心に残った言葉。

「跪いて生きるより、立って死ぬほうがいい。」

途中二人が立ち寄ったインド料理屋の客だか主人だかが言った言葉。

2009/01/28
12:32
「大阪ハムレット」

大阪が舞台の森下裕美のマンガが原作の映画。

大阪の下町に住む、久保家。
父が亡くなるところから始まる。

久保家は明るく元気な母房子と、ふけて見られる中学三年の政司、ヤンキーで中一の行雄、女の子になりたい三男宏基、そして父の葬儀のあと転がり込んできた叔父の五人家族だ。

いつも元気な房子は、昼は病院夜はスナックのアルバイトといそがしい。

政司は、ひょんなことから知り会った大学生と交際することになるが、彼女が勝手に政司を大学生と勘違いし、政司もそれを否定することなく大学生と偽ってデートを重ねる。

行雄は学校の先生に「ハムレットみたいだ」といわれ、その理由を探るためにひたすらシェークスピアのハムレットを読む。
辞書を片手にひたすら。

宏基は「将来女の子になりたい」とクラスで発表し、みんなにからかわれてしまう。

そして叔父さんは、何をしているのか、どうしてこの家に居候しているのかもサッパリわからない。
気がつくと、一緒にいた。
そんな感じ。


映画の前半はこういったそれぞれの状況説明で、笑える部分。
葬式のシーンでは、家族を前に、死んだ人間の悪口三昧。
ホントにどうしようもない人だった様。
で、その父親の写真が写ったとたん、笑った。
写真に写っていたのは、間寛平。
なぜか、笑える。

行雄が担任に「なぜハムレットなのか」「なぜ、死ぬの生きるのとなやむのか」等々の疑問をぶつける。
この担任がまた、同僚からもからかわれるような、まさにいじめられっ子キャラ。
行雄に詰め寄られておどおどする様子が、申し訳ないがちょっと笑える。

そして後半。
泣ける部分。

とはいえ、母というかおかあちゃんという感じなのだが、おかあちゃんは相変わらず明るく元気で、何でも受け止めてくれる。
「太った?」という次男の問いにも、
「太ったんちゃう、妊娠してんねん」と、ケロリと言って、
誰の子?と次男を悩ます。

政司は中学生だということがばれ、二人の恋は終わる。
行雄は自分の顔が父親に似ていないことに気づき、自分は誰の子だと悩む。
宏基は男女といじめられ、心が折れそうになる。

広基が好きだった叔母アキちゃんの死も、突然で涙を誘う。
アキちゃんは宏基にとって特別な存在。女の子になりたいという宏基を笑いもせず、責めもせず、受け入れてくれた一人。
「自分の好きなように生きるのがいい」と
宏基を励ましてくれる。
ガンで入院していたのだから、突然という訳ではないのだろうが、小さい宏基にはそれは突然だった。

ラストの宏基の学芸会のシーン。
舞台の上に立つ宏基をやじる上級生。その言葉に負けそうになる宏基をクラスメートが暖かい言葉をかける。

学校へ向かう道すがら、政司は道をはずれ東京へ帰る恋人を追う。

行雄はたびたび父親の幽霊(幻影)と対話しながら、悩みながら一つの答えを導き出す。

三人が三様の決着をつけて、一つ成長する。
そんな物語。


岸部一徳はどうして、あぁいう役どころがぴたりと合うのか。
そしてまた、画面に出てくると、なんとなく和む。
大林監督の「ふたり」で、岸部一徳を見てから、
すっかりファンになってしまっている。

子どもたちは関西出身の役者ばかりで、関西弁も馴染んでいてすごくよかった。
特に三男の宏基が可愛い。


恋、悩み、いじめ、いろいろ問題が盛りだくさんなのに、風呂敷を広げすぎることなくそれぞれがそれぞれに、時間内に決着を付ける。
すごくまとまった映画だったと思う。

一つ、難癖をつけるとしたら、宏基をいじめていた上級生が、負けずに最後まで堂々とシンデレラを演じきった宏基を「かっこよかった」と認めるシーンがあるのだが、あれはいらないと思った。

個人的にだが、あんな意地悪をする奴はあんなに素直に非を認めるとは思えない。
だから、そのしーんだけうそ臭くてちょっとなぁと、ひいてしまった。
それ以外はいい。
すごくいい映画だと思う。


笑って、泣いて、元気になれる映画だった。

シェークスピアの「ハムレット」が読みたくなった。


公式サイトはこちら↓
http://www.osaka-hamlet.jp/