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さとp

非公開

2009/01/23
14:16
「踊るギムナジウム」 森奈津子

四篇からなるゲイ・コメディ集。

 

なんというか、とにかく笑える。
ゲイとゲイの関係ではなく、ゲイとそうでない人の関係。
しかも世間一般に多数派なほうが少数派のゲイパワーに押されていくという構図である。
あとがきで元ネタとなった作品を著者自らばらしている。ばらさなくとも、分かる人にはわかるだろうと思うんだが。
私自身元ネタとなった漫画、小説等々は読んでいないものばかりだが、かといってまったく知らないわけじゃないので、なんとなくそうかなと感じるところはあった。
中三トリオは気づかなかったが。

 
それはさておき、4作のうち、2作は以前読んでいたので、それ以外の話について少し。

 
「実験台のエレベーター」は、不良学生山口が気になる同級生(男)桜田に告白するところから始まる。
彼は桜田が好きなのだが、どうにもその感情を受け入れられず、そのいらだちを桜田のせいにする。
不良ににらまれるのも好かれるのもどっちもごめんこうむりたい桜田は逃げる。追いかける山口、そしてなぜか一緒についてくる森。三人は偶然乗り込んだエレベーターに閉じ込められてしまう。

 
 この狭い空間の中で、山口は桜田へ苛立ちをぶつけ、森が山口の感情を素直にゲイだと認めるよう説得。
この場合、一番強いのがゲイを自認する森。不良の山口を言い負かす。
ひたすら自分の身を案じながら、心の中で突っ込みを入れまくる桜田。まさにトリオ漫才である。
実際に目の前で繰り広げられていたら、どんなに面白いか。その辺の新人漫才師より面白いのではないかと。

 
 それから表題にもなっている「踊るギムナジウム」。
「踊る」というのは何かの比喩かと思いきや、本当に踊るのである。ミュージカルなのだ。
その星では気分が高まると、他人とのコミュニケーションを円滑にするために、歌い踊るのである。
何つう、おばかな発想なのだろう。実際にこんなことは考えられないんだが、森氏の小説の中では許される、許してしまうのである。だって、笑えるから。ここでもやっぱりゲイパワー炸裂。
 まったくの異性愛者の男子がゲイに目覚めていく(目覚めたのか)、最後にはあんなについていけないと思っていた、このミュージカルなしきたりにもすっかり溶け込んでしまう主人公。
笑える。

 
 実際にどこかの劇団がやってくれないかと思えるぐらいだ。

 

 その世界を知らない人間にとって同性愛者ってのは、よく分からない(いやな言い方をすると)、気持ちの悪い世界と言える。だけど、森氏の小説を読んでいると、すごく好印象を受ける。

 
 実際、異性愛者の中にもいい人と悪い人、でもって変態がいるように、同性愛者の人の中にもそういう人たちがいるだろうけど。

 

森氏の小説の形はいくつかあるけど、コメディという形が一番好きだな。


ちなみに残りの二作は、
「魔女っ子ローリー 男色ドッキリ大作戦の巻」と「マゾ界転生」

 
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