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さとp

非公開

2009/01/23
14:14
怪盗二十面相・伝


二十面相といえば、明智小五郎と小林少年。
そして明智はいい者、二十面相は悪者。
残念ながら江戸川乱歩の「二十面相」は読んだことがないんだけど、今までに見聞きしたことを総合すると、そんなイメージになる。

だけど、この北村想の「二十面相」は彼が主役。
今までのイメージを覆すものだった。

あらすじ

父が自殺し母も行方不明になってしまった少年、平吉。
彼は孤児院へ行く事を拒否し、サーカス団に入る。
そこでであったのが、師匠丈吉。
パート1,2とある本のうち、パート1は主にこの師匠丈吉についての物語である。

サーカスの天才といわれていた丈吉は、突然サーカス団から姿を消し、泥棒になる。
ただ金品を盗むだけの泥棒ではなく、街を舞台にした見世物としての泥棒家業。
怪人二十面相としてライバル明智小五郎に挑むのである。

パート2ではパート1で丈吉が負傷しながら消えてから10年後の話だ。
大人になった平吉のもとに、死期が近いと思われる明智が訪れる。
そして二十面相、丈吉がのこした数冊のノート譲り渡す。
それは丈吉が研究した泥棒の指南書だった。
明智は小林少年(もはや少年ではないが)が、自分の後を継いで明智の名を名乗る事をも告げた。
明智の死後、小林は明智小五郎を名乗りかつて自分もそうであったように、小林少年と少年団を作った。
そして平吉も二十面相としての一歩を踏み出していく。


主役はあくまで二十面相であり、明智=いい者の図は脆くも崩れ去る。
ココに出てくる二十面相丈吉は、皆に好かれる面倒見のいい、兄貴的存在であるのに対し、明智はインテリの下層階級の人間を少し見下したような性格。
実際には少しそんな感じ、なだけなのだが、今までのイメージがいいだけに、かなりのイメージダウンだ。
それは小林少年もしかりで、彼の方がイメージに落差がある。
かなりいやらしい性格だ。
よくマンガにでてくるような、素直でかわいらしい小林少年とは大違いだ。
自己顕示欲が強くて、傲慢でいけ好かない。
子どもに手を出せない二十面相の弱点をついて、子どもを使う。
しかも、パトロンであるいいとこの坊ちゃんたちには危険な仕事はさせず、手なずけた街の浮浪児たちに任せる。
格差社会の上のほうから、下のほうを見下すような人物として書かれている。
かなりいやらしい。

とはいえ、小林少年のファンではないので、彼がいけ好かなく書かれていてもなんとも思わないのだが、二十面相を主役としてみたとき、このいけ好かない性格がライバルとしていい味を出していると思う。

また如何にして二十面相が誕生したのかというくだりも、なかなか面白い。

パート2では二代目としてそれぞれの名前を継いだ初戦のみが書かれているが、その後の二人の活躍もぜに読んでみたいと思わせる作品だった。

乱歩の「二十面相」と読み比べてみるのもいいかもしれない。


そのとき読んだのが、岸田國士戯曲賞を受賞した「十一人の少年」。
ずいぶん昔なのでその内容は思い出せないが、面白い、それはもうとてつもなく面白かったという印象がある。
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